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テープ起こし原稿サンプル

平成28年5月19日 第190回国会(内閣委員会)
登場人物:山本太郎、石破茂、東京大学大学院農学生命科学研究科教授鈴木宣弘

聞き取れなかった箇所を、***(hh:mm:ss)
聞き取れたけれども怪しい箇所を、【きこえたおと(hh:mm:ss)】
と表記します。

(00:00:00)

山本:生活の党、山本太郎と***(00:00:04)山本太郎です。国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案について質問いたします。今回の法案、特に農業分野について国家戦略特区担当でもあり、そして地方創生担当でもあられる石破大臣にお伺いしたいと思います。今回のようにですね、農業を国家戦略特区に含めることで、地方創生、地方に暮らす人々の繁栄、豊かさにつながっていくと石破大臣はお考えになられますでしょうか?

石破:そうならなければ、やる意味がありません。

山本:ありがとうございます。そうならなければやる意味がないんだと、力強いお答えをいただきました。今日はですね、委員長を始め理事の皆さん、委員会の皆さんのご了解を得まして、東京大学大学院、農学生命科学研究科、農学国際専攻、国際環境経済学研究室教授の鈴木宣弘先生に参考人としてお越しいただきました。鈴木先生のことを、東京大学のホームページで拝見いたしますと、WTO、世界貿易機関の農業交渉や、活発化するFTA、自由貿易協定の締結交渉による農産物貿易自由化の国民経済、環境への影響、国内関連政策の国際貿易へのインパクトの解明、日本だけではなくFTAによる域内国や域外国も含めた、世界のさまざまな階層への影響と、その調整政策の解明に取り組んでいらっしゃる。まさにプロフェッショナルであり、また我が国がアジアとともに発展を持続するためには、アジア農村の貧困を緩和し、アジア諸国間の100倍もの所得格差の緩和に資するような経済連携強化を目指さなければならない。加えて、生態系、環境の保全にも配慮した、多様な農林水産業の共存につなげねばならない。この困難な調整を可能にするシステムを具体的に議論できるフレームワークを提供していきたいという。これ自分の国だけじゃないんだと。持続可能な世界をどうつくるのか、それを研究し続けている専門家であることがよくわかります。鈴木先生、今日はよろしくお願いいたします。
でですね、鈴木先生にも石破大臣と同じ質問をさせていただきたいと思います。今回のように、農業を国家戦略特区に含めることで、地方創生、地方に暮らす人々の繁栄、豊かさにもつながっていくとお考えになりますでしょうか? 石破大臣は先ほど、そうならなきゃやる意味がない、と力強くお答えになりました。鈴木先生のご意見をお聞かせください。

鈴木:東大の鈴木でございます。よろしくお願い申し上げます。私の理解では、国家戦略特区は岩盤規制に穴を開ける突破口だと定義されていると思います。端的に申し上げれば、特区は政権と近い一部の企業の経営陣の皆さんが利益を増やせるルールを広げる突破口をつくるのが目的ですから、地方創生とは直接結びついていないと思います。むしろ、地方創生には逆行します。なぜならば、地域の均衡ある発展のために維持してきた、【相互扶助(00:03:18)】的なルールは、まさに今だけ金だけ自分だけの一部企業が地域で利益を得るためには障害となります。そこで、それらを既得権益、岩盤規制との名目で崩し、既存の人々、農家の皆さんのビジネス、お金が奪われていきかねません。既存の業者や農家の方々が多く失業し、地域コミュニティも崩れていく可能性があります。つまり、地域全体としては衰退していく可能性があることを考えなきゃいけないと思います。以上です。

山本:ありがとうございます。岩盤にドリルで穴を開けていく、という名のもとに人々を守るはずの規制というものが、どんどん崩されていく可能性があると。そして、政権中枢日階者たちによって、その利益というものは横流しされる可能性があるというようなご意見を示されたのかと思います。鈴木先生は、TPPの問題に関しましても大変お詳しい方です。国家戦略特区は、TPPの問題にもつながっているんでしょうか。先生のご意見をお聞かせください。

鈴木:日本でもTPPに関連して、あっせん利得処罰法の議論がありましたけども、TPPを推進するアメリカの共和党の幹部は、巨大製薬会社から2年で5億円もの献金を得て、TPPで新薬のデータ保護期間の延長を要求しましたように、TPPには巨大なあっせん利得罪の構造が当てはまります。結果的にTPPは、政治と結びつく一部の企業の経営陣が利益が増やすルールを押し付け、広げていくことが大きな目的でありますから、これは国家戦略特区との思想とも同じです。TPPよって、地域の公共事業も最も日本が無差別に外国企業に開放します。TPPと特区の相乗効果によりまして、日本のみならず外国の企業も参入し、地域の既存の中小企業や農家の廃業が増えると思われます。大店法が撤廃され、巨大店舗が進出して、日本中の商店街がシャッター街になったことはご案内のことと思います。そして、ある程度儲かると撤退して、街を荒廃させてきました。同じようなことが、さらに広範な分野でTPPと特区の相乗効果で進む危険を考えなければいけないと思います。

山本:ありがとうございます。先月の4月19日でしたよね。衆議院のTPP特別委員会で、民進党の玉木雄一郎議員の質問に対して、森山農水大臣は農産物の重要5項目の中で品目で言えば守られているものは1つもないと。無傷のものは1つもないという旨の答弁をなされたと思うんですけれども、鈴木先生はこの農産物の重要5項目の聖域を守られたとお思いになりますか? そして、TPP協定が発行すれば、農業分野や一体どれくらい損害を被るのか、先生のご試算で教えていただけますか?

(00:06:30)

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  • 聞き取りに正確性が求められる場合、熟練の方もしくは専門会社へのご依頼をおすすめします。
  • 学会発表、医療関係シンポジウムなど、内容が高度に専門的なものはお受けできません。
  • 音質が著しく悪い場合、ひどいテープ起こし原稿になる可能性がございます。
  • 音声はMP3でいただけると助かります。

原稿について

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  • ケバとりのみ、逐語起こしはできません。
  • 聞き取りが困難な箇所は、タイムスタンプ表記をいたします。
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